項
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写 真
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解 説
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(7) ひび割れ防止 |
19.5.1 | 作業途中の写真がありませんが、電気かんなを使用して、厚さを4cm程度にしたものです。 最終的には3cm弱にするつもりですが、内側を仕上げてからの話になりますので、ここでは4cm強にしました。 さらに、縁の部分の新聞紙をはずして障子紙に貼りなおしました。木口の部分には内側と外側に広めの紙を張っています。 |
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最初に使用した型紙を当ててみました。 型紙は長径54cm、短径34cm、焦点距離22cmの楕円を半分にしたものです。(長径は少し削っています) ただし、最初に書きましたように収縮差が発生することに備えて鉢は真円ではありませんから、断面の形は360度同じにはなりません。したがって、厳密にはこの1つの型紙を使ったチェックでは判断はできません。 乾燥が進み、真円ができたところで(あるいは、手を加えて真円に加工したあとで)、最終的なチェックをし、仕上て行くということになります。 |
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(8) ひび割れ防止(2) |
19.5.22 | 発生したひび割れです。 表面部分が先に乾燥し、内部は変化が無いので、表面の弱いところが裂けるということだと思われます。したがって、内部にまでは入っていないと思われます。しかし、ほっておくと内部まで乾燥が進んで行くに従って裂け目が広がっていくことになります。 日が経つにつれて、あちこちに(といっても木口付近ですが)数が増してきました。 |
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ホッチキスで、鎹(かすがい)を打ちます。 どの程度打てばよいのか分かりませんので、多めに打ちました。 |
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障子紙用の糊をたっぷり塗ります。 | ||||
少し分かりにくいですが、今回はティッシュペーパーを使いました。これだと、曲面に沿ってぴったり張るころができます。 写真は、上が覆輪(ふくりん)、下が高台側です。 濃い白色が、障子紙です。 糊で濡れているので見にくいですが、薄い膜状になったのがティッシュペーパーです。 |
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直接、風と日光に当たらないようにということで、家の外のものいれに、写真のように格納し、乾燥を待ちます。(銀杏特有のにおいがあるので、家の中にはまだ持ち込めません。) 時々、様子を見ていますが、新たなひび割れは発生しておらず、また、古いひび割れが更に広がった様子はありません。 快調に乾燥しております。 |
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(9) サンド仕上(試) |
19.7.8 | サンドペーパーは直接に手で押さえながらかけても良いのですが、普通は、木片を当てたり、専用の工具を使います。この方が、手が疲れずに効率的にできます。(本来は、刃先が曲線になった専用のかんなを使います。) 最初は、内側の曲面に合った専用の木型を作ろうかと思ったのですが、たまたま目に付いたテニスボールで代用することにしました。これをペーパーでくるんで写真のように操作します。思ったより快適です。
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鉢を少しづつずらしながら、一定の力でこすって行きます。 |
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削っているうちに、やや極端に膨らんだ箇所が見つかりましたので、そこは、丸のみで削り落としました。 内側の仕上げは、サンドペーパーの番手を上げながら、だいたいこれでいけそうです。
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サンドペーパーはざっとかけただけですが、思ったより効率的に、きれいにできそうです。 | ||||
(10) 内側仕上1 |
19.8.5 |
まず、中心をなんとかかんとか決定しましました。
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凸凹調査に必要な器具として、ボールを使いました。 |
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2個のボールによる調査結果は写真のとおりです。
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(11) 底厚調整 |
19.8.11 |
前回までに、概ね鉢の内側の形状が決まりました。(内側については徐々に仕上げをして行く予定です。) |
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のみでえぐっていきました。 |
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一応、作業終了の状態です。 |
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(12) ひび進行停止! |
19.8.13 | 4月30日の、ひびが入り始めた状況。 | 戻る | |
4月30日の、ひびが入り始めた状況。 | ||||
(13) 側面削り |
19.8.14 | 側面を削るにあたって、どのくらい削ったら良いかという問題が出てきますが、次のようにしました。 @厚さをコンパスで測る。 A削る分の厚さに相当する穴を要所要所に掘る。 B穴の深さ分、側面を削る。 左の写真は、電動ドリルに穴空け用の錐(きり)を取り付けたところです。所定の深さになったらそれ以上深くならないようにストッパーが付いています。(ストッパー部分は本来はもくねじの皿穴をあけるためのもので、逆に付ける。) |
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写真は、4.6ミリの厚さのある箇所に、7ミリの穴を開けています。(側面の厚さを3.8ミリにすることにしました。) このように、全体が3.8ミリの厚さになるように、その場所の厚さに応じて、穴の深さを変えて、穴を掘っていくわけです。 |
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側面の厚さを測った場所に穴を開けた状況です。 ここを全面的に、電気かんなを使って削って行き、穴が見えなくなったら、3.8ミリの厚さに削れたことになります。 |
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ただし、理屈はこうでしたが、2つの問題が発生しました。 @電動かんなの形状の問題(電動かんなの左右に出っ張り)で、高台の部分および覆輪(ふくりん)の根元付近が削れない。(写真は下側が覆輪の部分です。) A木口がきれいに削れずささくれ立つ。(基本的にかんなですから、どうしてもこうなるようです。) |
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このために、左のような"やすり"を買ってきました。 うたい文句は、「かんなと紙やすりの中間の効率」とあったのですが、試してみると、だめでした。80番の紙やすりよりも削れません。ドリルの回転が高くないからでしょうか。がっかり。 |
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それで、 @小口付近は鋸でざっくり切り取って、やすりで仕上る。 A繊維方向については、(得意の)丸のみを使用することにしました。 要は、状況によって道具を使い分ける(適材適所)ということです。 |
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結局、写真のような器材をそうどういいんすることになりました。 電動かんなでサッと片付けるはずが、とんでもない時間を食いそうです。 |
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縁の部分を5ミリほど削りました。 こういう場所は電動かんなの独壇場です。 電動かんなの底の部分を縁に対して均等になるように押さえながら削って行くと全体的にきれいな平面がでます。 |
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高台の部分も、1センチほど削りました。 円を描きますと、写真のように鉢が楕円になっていることが分かりました。 もともと円でカットしたのですが、乾燥するに従って、繊維方向と年輪方向の収縮差がでた訳です。 今日で、3ヶ月が経過したのですが、今後もさらに乾燥と収縮は続くのでしょうか。 |
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(14) 形状概定 |
19.8.15 | 一応、骨格の完成です。 内側は、これから少しずつ細かい仕上げをしていけばOKと思います。 外側は、この内側を基準にしてもう少し加工が必要です。 昨日は電気かんなを主力にしてバリバリ削っていこうと思っていたのですが、電気かんなが有効だったのは、縁と高台の部分だけでした。 もっとも活躍したのは「のこぎり」でした。これで、不要な箇所をざっくりざっくりと切り取っていけました。 写真では覆輪(ふくりん)をのこぎりでカットした跡が良く分かります。 |
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苦戦のあとが見えますね。 朝から夕方まで、"のこぎり"と"のみ"を動かしていました。 お隣の奥さんが、「すごい根気ですねぇ。一日中"のみ"の音(とんかちの音)がしていましたねぇ。何をされていたのですか?」とおっしゃいました。 言葉通り受け取ってよいのか、あきれられたのか、それともうるさかったのでしょうか。 |
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写真は"のこぎり"と"のみ"による戦いの跡のアップです。 側面はまだまだ厚さが一様ではありませんので、さらに削っていく必要があります。以後の主力道具は"荒目のやすり"と"のみ"になると思います。 少し心配なのは、この段階(3ヶ月経過)で形を仕上てしまってよいのかなぁ、ということです。全体が薄くなりますから更なる乾燥に伴って歪みがでるのではないか、ということです。 寸法を良くフォローし、またひび割れ発生の監視に努めたいと思います。 |
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写真は16日時点での形状計測結果です。 内径53.6cmは繊維方向、54.6cmは年輪方向です。 当初は2cmの差をつけたのですが、この時点で1cm縮んだわけです。ただし見た目にはまったく分かりません。 底の厚さがもっとも薄い場所で29mmです。あと1〜2mm薄くなると思いますが、ここの部分は今後要注意です。 重量は7.7kgです。今後の削りと乾燥で最終的には5〜6kg程度になるのではないでしょうか。 |