項
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写 真
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解 説
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(26)塗り開始(柿渋) |
20.8.3 |
塗りの計画は次の通りです。 ・最下面(写真部分)は柿渋だけ。 ・側面は、柿渋を下地にしてその上に漆。 ・覆輪と内部は漆。 せっかくですからいろいろな塗り方をやってみようということです 使った柿渋は、写真のような「無臭柿渋」というものです。本当の柿渋は乾燥が終わるまで強烈な臭いがするというので、これにしました。 刷毛で塗って、布で刷り込み、乾燥したらやすり(または布)で拭き込みます。 何回か繰り返すと、比較的良い艶(つや)がでます。 |
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文字部分に墨を入れてみたのですが、わずかに滲(にじみ)が出ました。 (やらなければよかった、と反省。) 写真の面(鉢の裏側)は、柿渋のみで仕上ていく予定です。 我ながら良い図案になったと、ひとりほくそ笑んでいます。 |
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側面も柿渋を塗りました。 写真の台は、今回の作業期間中大活躍をした作業台です。 |
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(27)うるし(側面1回目) |
20.8.10 |
左は用具です。 時計周りに、漆を溶かす器とへら、、ゴム手袋(130円)、白手袋(ゴム手が着脱しやすいように)、漆拭き用の紙、パンストを照る照る坊主風に丸めたもの(刷毛がわり)、摺用生漆100g(1200円)、片脳油1L(2400円)です。 摺用の生漆は、中国産でして、下地用に使用します。写真にはありませんが、最後の仕上げには国産の漆(生正味(きじょうみ))を別途購入しています。価格は、100g9200円!です。 国産と、中国産の差は、良く分かりませんが、透明度と乾燥後の硬度にあるようで、国産は両方ともに中国産よりも優れているそうです。つまり、美しくて綺麗ということです。 片脳油はテレピン油でも良いそうですが、漆塗りの先生(岡○木工所)のリコメンドにしたがって片脳油にしました。片脳油は、樟脳を作る時に出てくる油だそうです。 |
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パンストを照る照る坊主状にしたものを使って、塗っているところです。 1回目は、片脳油と漆を1:1で良く混ぜたものを、薄く均一に延ばしていきます。全部で1cc〜2cc程度で塗り終わりました。 |
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上のアップ写真です。 思ったよりも、少なくて済みましたので、2周目を塗っているところです。 |
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塗り終わったあと、専用の紙を使って、刷り込むように拭いていきます。 紙は、10枚入りを購入しました。1枚で1〜2回、10回塗りをするとしても10枚あれば十分であろうと思いました。 1回目は、片脳油が大目ですのでその油成分が紙にたくさん染みこみ、ほぼ全体が漆まみれになって、2回目は使用できないかもしれません。 この時点でも良い艶がでています。 |
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肝心要の乾燥です。 最近、気温が上昇していますので、気温が少し心配になりましてあらかじめ温度測定したのですが、30度以上になることはありませんでした。 |
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(28)うるし(内面1回目) |
20.8.11 |
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(29)うるし(側面2回目) |
20.8.12 |
写真は、漆と片脳油を概ね5:5で混ぜ合わせているところです。 失敗したのは、前回の漆の残りかす(茶碗の中で固化してへばりついている)を良く除去せずに、新しい漆と片脳油を追加したことです。 このことで、残りかすが小さな塊となって混ざりこんでしまいました。 めんどくさいのと、どうなるかの興味半分で、そのまま塗りを行いましたが、塗った後も、小さな塊となって残りかすが生地表面に残りました。 結局、これらを丁寧にふき取るのに手間が掛かってしまいました。 ふき取らないと、黒いつぶつぶが残ったまま固化してしまうと思います。 |
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同じような写真が続いてしまいますが、乾燥中の状態です。 これで3回目の乾燥作業になりますが、大体12時間(朝〜夕)で乾燥するようで、概ね順調です。 気温がやや高め(29℃)なのと、塗りが薄いからではないかと思います。 |
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ワンアウト・チェンジですから、漆のかぶれにとても注意を払っています。 |
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(30)うるし(内面2回目) |
20.8.13 |
漆を刷り込むためのタンポンです。 教えてもらったのは、パンストを丸めて使うことだったのですが、要は漆を手早く延ばせば良い訳なので、綿の布を丸めて紐でくくったものを準備しました。 使い捨てです。 使ってみて、特に問題はないように思います。むしろ、これを使って塗る段階から漆を刷り込むことになりますので、次の段階の紙を使った拭きを行っているようなものです。 いろんな面で、これは良いと思います。 |
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1000番のやすりを使って磨いた状態です。 自然光の中では、かなり黒ずんで見えます。 乾燥していると判断したので、手袋をつけずに作業をしましたが、大丈夫でした。(本当は、慎重であるべきですが、やってしまいました。チェーン・オブ。アクシデントの始まりですね。) |
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乾燥中です。 |
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(31)うるし(側面3回目) |
20.8.13 |
まず要具の準備です。 昨日から採用した使い捨ての照る照る坊主です。 昨日の経験から、少し軟らかめに作りました。 横に置いてある紙は、拭き漆紙です。 40cm×60cm位の広さですが、1回当たりこの半分でいけるようです。 |
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今日は側面を塗ったのですが、内面を見ると、細い擦り傷が残って見えます。 何回も書いていますが、紙やすりの番手の使い方がよくないからです。 その都度、その都度、これらの擦り傷をなくしていかなければなりません。 この程度の傷は最終的に見えなくなるのでしょうか、どうでしょうか。 青い矢印で示しているのは、年輪の中心から外側に向かって発生するひびです。これは、止むを得ないと思います。 |
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(32)うるし(側面4回目) |
20.8.16 |
100g 9,200円の漆です。 分類がどうなっているのか良く分かりませんが、国産の上質漆です。 14日までに中国産(100g 1,200円)を使った3回の下塗りを終えまして、4回目からは、この漆を使い始めました。 この漆は、藤井漆工業というところに買いに行ったのですが、中国産のものは店頭に置いてあったのに対して、こちらは時間をおいて奥から持って来ました。 樽か何かに保管してあるものを、チューブに入れて持ってきたという感じでした。量り売りということですね。 |
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拭き漆のやり方ですが、イメージ的には、ハンドクリームのようなものを塗ってそれを拭き漆紙で薄くかつ均一に広げるということだと思われます。 写真は、最初の塗り始めの様子です。 仮に、このような不均一な状態で固化すると厚い部分がより黒くなって、それが文様となって残ってしまいます。 したがって、"拭き"の段階では、このような部分が残らないように良く状態を観察しながら作業をすることが肝要です。 (写真は、前回の作業の写真で、使っているのは中国産の漆です。精製の度合いかどうか分かりませんが、比べるとくすんだ感じです。) |
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(33)うるし(側面5回目) |
20.8.23 |
8.17に内側の4回目を塗りました。 今日は、外側の5回目に入りました。 漆を塗る前に下地を軽く荒らす必要があります。 サンドペーパーを使って細かい凹凸をつけ、塗りつけた漆の食い付きを良くするためです。 当初は紙やすりを使っていましたが、スポンジのやすりが売っていました。 3M社の製品です。番手が違う5枚入りで500円くらいだったと思います。 これを使うと曲面がスムーズに研げます。 写真一番下は、やすりの面を上にしてあり、茶色に変色した部分は粉状になった漆です。手でパンパンとはたくと簡単に取れます。 |
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5種類の番手の内訳です。 ・MEDIUM:#120〜#180 などとなっています。 〜 ・MICRO FINE:#1200〜#1500 ですから、最終の仕上に使っても良いように思われます。 プロの作業では、何とかという炭を使うようです。 |
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写真は、本日の作業終了時の"拭き漆用の紙"です。 木地に塗りたくった漆を拭き取った後の状態ですが、比較的、綺麗です(漆がべたべたくっついていない)。 漆の重ね塗りというのは、厚さ0.01ミリのオーダー(もっと薄い?)の膜を重ねていく訳ですから、塗布量自体もわずかで良いはずです。 したがって、最初に準備する漆の量も(思いのほか)少しで良い訳です。 そうすれば、写真のように拭き取る量も少なくなる、ということだろうと思います。 |
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作業に使用しているゴム手袋。 漆のもともとの色は、黄土色をしていますが、空気に触れることで黒く変色するようです。 |
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(34)うるし(側面6回目) |
20.8.30 |
8月24日(日)に内側の5回目を塗りました。 従って、5層の漆塗りになっているわけです。 今日は側面の6回目です。 写真は、やすり(上に載っているもの)で研いだあとの状態ですが、十分な光沢が残っています。このやすりは、スポンジ地なので曲面に向いています。また、紙ですと折り曲げて使用する際の角の部分が地に当たって傷になることがあるのですが、これだとそういう心配がありません。 番手は、#320〜#600となっていますが、紙やすりの場合の#1000位の感じです。 そのほか、今日は拭き用の紙を専用のものでないのを使ってみました。 使ったのは、買ったワイシャツの中に挟んであった紙でして、雰囲気が似ていたので使ってみました。 結果ですが、拭いた後を見ますと、筋状の拭きムラが少し残っているようです。 紙が少し硬いのかもしれません。 |
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(35)うるし(内側6回目) |
20.8.31 |
内側の6回目(6層目)です。 写真は、拭き終わった状況です。 そこそこの光沢がありますが、よくよく見るとまだ"ざらつき"があります。 一方側面については、相当の光沢になっています。 この差は下地の仕上げの程度の差でして、側面は柿渋によって相当に磨かれていたからです。 側面には、内側に見られるようなまだら模様もありませんし、少し赤みも入っていていい雰囲気になっています。 柿渋を使うと更に良いことには、漆の量が少なくて済みます。 今になって思えば、当初の予定通り全面柿渋で下地を作ってやれば良かったようです。 |
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ついでに、駒板の包丁に当たる面を漆で塗りました。 蕎麦がくっつきやすいし、細かい筋(木目のへこみ部分)があるので、これを埋めて、ピッカピカにしてやろうと思います。 常時、包丁と擦れますから、結果的にはあまり良いことではないかもしれません。 |
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(36)うるし(側面7回目) |
20.9.14 |
当初、漆塗りというと、もの凄く大変なことだと思っていましたが、やってみるとそれほどではありません。同じ仲間に聞いても、同様な感想を持っています。 実際、「趣味の漆ぬり教室」があちこちで開かれていて、オバサンやオジサン達がやっているわけですから、特殊なことではない訳です。もちろん、これは単純な「拭き漆」に限るのかもしれません。私の先輩に、彫像をやっている方がおられますが、木工の仕上に是非試されたら良いと思います。 漆塗りのことについて「バカ塗り」という言葉がありますが、まさにその言葉通り、同じことを繰りかえし繰り返し、何日も何ヶ月もやるわけですから、そうみえるのかもしれません。しかし、実際やってみると、何事もそうだと思いますがバカにできないものがありますね。 それと、回数を増すごとに美しくなるのがなんともいえません。 今朝も朝早くから作業をやりまして、充実した一日が始まったぞ、という感じです。 |
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(37)うるし(側面8回目) |
20.9.20 |
毎回、毎回同じような画像ばっかりで、アップするのもはばかりますが、記録として残しておこうと思います。 8層目に入りました。 教えられたのは、8回塗れば十分ということでした。 確かに、この辺まで来ると際立った変化はありません。一層当たりの厚さが極めて薄いわけですから、そんなに変わるものではありません。 どこまで塗っていくか、いつか決心しなければなりませんが、内側の仕上がり具合の程度が側面よりも比較すると落ちるので、これが満足いく程度になったら、終わりにしようと思います。 上に乗っているのは、麺棒置きです。 漆の残りを塗りつけみることにしました。 下は、小間板。4層目です。 |
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ごみ入れのポリ袋です。 作業の都度、使用済みの紙などを捨てています。 少しでも漆がついたものは、この中へ。 かぶれ防止のため、用心に越したことはありません。 作業には万全を期していますが、終わったあとなんとなく手首あたりがかゆくなっているような気がします。完全な気のせいなのか、ほんのりかぶれているのか分かりませんが、かゆみが残ることはありません。 今のところ、セーフが続いています。 |
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作業が終わって、残った漆です。 最初に作った(片脳油と混ぜ合わせる)量は、1cc程度であったと思いますが、こんな残りました。 木地側の仕上がり程度が上がっているので、極少量を延ばすということになるから、ということと思われます。 写真では見にくいですが、塗るために布を丸めたものが、漆を吸い込んでいます。 結局、残った漆及び布側に吸い込まれた漆は捨ててしまうので大変もったいないことです。 |
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そこで、今回から、布側に吸い込まれる漆の量を減らすために、内側に丸める玉をラップで包み、この中には吸い込まれないようにしてみました。 なにしろ、漆は100gが9200円ですから、一回1g程度としても92円です。 大事に使う必要があります。 |